ぶらりぼっち日和

人生回り道。のんびり生きる仕事嫌いな20代

【書評】内定童貞(中川淳一郎著)ーーーこれは就活生にもおすすめな”ひねくれ就活マニュアル本”


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ーーー内定童貞

 

なんとドキッとするタイトルだろう
二つの意味で

もちろん造語ですが意味は容易に想像がつくかと。

就活解禁した今、
“もし卒業までに内定童貞だったら・・・・・・”
なんて想像したくもない学生が多いことでしょう。
確かに恐ろしいもんな。大人は煽ってくるし

そんな恐ろしいタイトルの本を今回はご紹介。

 

作者は、再び登場の中川淳一郎氏。
前回もこの方の著書を読みました。

hitomishiriman.hatenablog.com

 

タイトル含め相変わらず煽ってんなあ・・・・・・。

 

なぜこれに惹かれのかというと、単純に僕も“内定童貞”だったから。
読んでいくと非常に心が痛くなる内容でして、
当時の僕の顔面に叩きつけてやりたいほど納得してしまいました。
なので「ああ、これやってたわあ・・・・・・」と僕の経験も書けそうであり、
反面教師的な意味で就活生の方に読んで貰えればと思った次第。
決して本来の意味の“童貞”にドキッとしたわけではないんだからね!

 

 

毒をふんだんに盛り込んだ新しい就活マニュアル

タイトルからして「就活とかクソマジ滅びろ」的なコトがずっと書いたあるーーー
かと思いきや意外や意外、わりとまともな就活マニュアルとしての側面を持った本書。「就活クソ」的なニュアンスは含んでます

 

とはいうものの、そこらへんのマニュアル本に書いてあるような

 

「過去の経験から照らし合わせて自己分析しましょう☆」

「会社に入って何が出来るかアピールしましょう☆」

「志望動機を書くコツは△△です☆」

 

こんな量産型就活生をほいほい生み出すようなアドバイスは皆無。
むしろ書いてあるのは、

 

・企業の求める人物像をまともに受けてはいけない

・社会人にもバカはいる

・スケールの大きい話は要らない。本当に要らない

・企業はなんとなくでしか学生を見ていない

・仕事なんて崇高でもなんでもない

 

こんなことばかりである。
なので大学のキャリアセンターの職員にこの本を見せることはあまりおススメしない。 

 

 

“就活という悪夢を分解する”

 

 

第一章の大見出しがこれだもんな。

 

 

“学生目線“と”社会人目線“の両方から就活の常識をぶった切る

”作者自身の就活経験”と”作者が博報堂のリクルーターだったときの経験”をもとに、
“学生“と”社会人“という二つの視点から就活をばっさり斬る本書。

 

 

学生の側の本音を代弁すれば、こうなるはすである。

「どうでもいいからさっさと一流企業のお前ら、オレ様に内定出せ。そうなれば、オレ様はそれなりのステイタスとカネを獲得できる人生になるんだよ。もう就活うぜえよ。早く遊びてえんだよ」

 

そして面接を行う人事担当者の本音はこれだ。

「はあ、またバカが来たか・・・・・・。もうさあ、国立、早慶と難関私大の学生、そしてそれ以外の大学でトップクラスに入るまともなヤツだけウチを受けてくれよ。頼むよ本当に。何人東大から取ったかが重要指標の一つだっていうのに、バカばっかりウケやがって。お前らに使ってる時間、ムダなんで」

引用:内定童貞

 

 

 

数ページ読み進めるだけでこれである。
よくある就活マニュアル本を期待している人はそっ閉じすることをおススメする。

 

以前書いた「夢、死ね!」の書評でも感じたことだが、
基本作者の経験談はぶっ飛んでる。
「これは再現性ねえだろ」と思う人もいるだろうが、
キャリアセンターの人にとっては残念なことにその本質には共感するコトが多い。
学生と社会人の本音も、程度や表現の差はあれどたぶんこんな感じでしょう。
実際僕も行きたい企業云々より「とっとと就活終わらせろコラ」の気持ち一点で進んでいたし。というかそんな人ばっかりだろ

 

自己PRを”本当に自分のモノ”にするためには?

 色々書きたいトピックはありますが、今回は就活生が一番苦戦するであろう
”自己PR”について、作者の意見(と、僕の経験談)をちょっと抜き出します。

 

 

就活の疑問の一つといえば、
“謎のサークルリーダー奴”
“謎の文化祭でめっちゃ売り上げ作りました奴”
“謎の組織の中で起きた問題を見事な機転で解決しました奴”

 

 

「こんなに優秀な奴らがいたら日本安泰だわ」レベルのリーダーや実績を語る学生が就活時期に増殖する現象が挙げられます。
なんでそんなに都合よくハイスペックな話があるんだろうというくらい量産されます。
一体君らは今までどこでくすぶっていたんだい?

総じて彼らの言うことは、かっこよかったり、キラキラしていたり、人間としての欠点が見えなかったり、もうアニメのやれやれ系主人公になっちまえと突っ込みたくなります。

 

 

 

 


と、まあだいぶネタにはされていますが、
”就活ではなぜかみんなかっこいいことを言いたがる”
という現象に対して、
“現役の学生で疑問を持つ人“や
”就活を振り返るとあの風潮には違和感があった社会人“って、
数多くいるはず。
僕もその一人でしたし、今もそうですから。

 

 

 

 

 

すごく立派なことを言わないといけないような気がしてしまうんですよねえ。

 

 

 

 

 

「御社のここに共感いたしました!」
「自分の人生を通してこれを達成したいです!」
「社会に〇〇〇という価値を与えたい!」

 

 

 

 

 

うーん

 

 

 

 

 

微妙

 

そもそも“志望動機の作り方“ってものにも違和感あるよね。
なんだよ作るって。モチベーションなんか自然と出てこないとおかしいだろ

 

 

*「おススメの面接ネタ10選!」を紹介した後の本文

 

「これって仕事の能力と何も関係ないじゃん!」と思われるかもしれないが、それでいいのである。会話がポンポン弾めばそれでいいのだ。

~中略~

だから、面接では「自分が立て板に水のごとく喋れるネタを喋れ」というのが勝利の鉄則となる。

引用:内定童貞

 

 

 

かなり共感。
僕の周りで就活に内定を取っていた人に共通していたのは、
ホントに“立て板に水を流すようにしゃべれるトピックを選んでいた人”でした。
理念やら将来のことやらを真面目に話していたのはたぶん、そんなにいなかった。

 

 

 

 

 

やっぱりね、無理はしちゃいけないと思うんですよ。

 

 

 

 

実際ものすごい立派な理念や思いを掲げ、それを就活で話して受かっていた先輩はいました。具体的には、超難関のゲーム業界に内定を獲得した先輩がいまして。
その方が話していたのは凄く簡単にまとめるとこんな内容。

 

 

「自分は病気のせいで幼少期に本当に辛い目にあっていた。死のうと思った経験もあった。でもそれをとあるものに救われた、それが、ゲームや漫画等のエンタメ。だからこそ自分もゲーム業界で同じ人の力になりたい」

 

 

 

リアルでこの話を聞いていましたが、マジでかっこよかった。ホレボレするレベル。
こりゃ受かるわ・・・・・・。

 

僕もそれを真似して、自分の過去の経験からどういうことを将来したいのか、
作りました。

 

 

 

 

 

そして就活で話しました。

 

 

 

 

でも、話していてどっか

 

「なんか・・・・・・話づれえな・・・・・・」

 

と思うコトが多数。
ここで本質に気付かなくてはいけませんね。

 

 

 

 

 

真似すべきだったのは、先輩のような「かっこよくて美しい理念を話すこと、それ自体」ではなく、「自分が本気で語れるものについて話すというスタンス」だったわけです。

僕はここをめちゃくちゃ履き違えてたなあ・・・・・・・。

 

先輩の本気で話せるコトがたまたま将来のことだった、
というだけで、僕らまでそれを真似る必要は全くなかったんですな。

 

 

*「博報堂でプロレスの話をして受かった話」を書いた後の本文

 

ここでの鍵は「自噴の土俵に持ち込む」ということである。面接官にとって、自社の仕事や、社会人としてのマナー、社会問題、政治などについては年の功もあり、学生より圧倒的に知識があることだろう。

~中略~

だが、プロレスの知識がある人など滅多にいない。ましてや実際にやった経験がある人など皆無である。学生の側としたら、こうした「相手が知らないであろうこと」を話し、「それってどういうこと?」と矢継ぎ早に質問をしてもらえるようなテーマを選び、そのエピソードを生き生きと楽しそうに話す。これだけでいいのである。

引用:内定童貞

 

 

結局むりくり作った話は自分の土俵では無いので一瞬で崩壊する。
でも自分が本気で話せることであれば、そんな関係ねえ!!!わけです。
でも悲しいかな、今の就活では「本気で将来について話してるっぽく見せなくてはいけない」という流れがあるような気がします。もちろん全てではないでしょうが、これに近しい立派なことを言わないといけないみたいなことは強く感じる次第。

 

作者はプロレスの話で博報堂を勝ち進んでますからね。
もちろん業界の違いもありますし、作者もかなり才能がある方だと思うので100%真似するのはどうかと思います。

が、このスタンスはどんどん取り入れるべきじゃないかと。
このくらい自由な方が就活生も楽しいですし、
人事の側も「おお楽しそうに話すなあ」とついつい前のめりに聞いてしまいますしね。

なので別にサークルのリーダーをやっていた話や
学生団体の代表をしていた話とかをしてもいいと思います。
ただ、それが「自分が本当に好きなこと(あるいは本気だったこと)」であるという前提は必要になります。
そうでないのであれば、趣味でもなんでも、自分のフィールドで戦える話をした方が、絶対いい。

趣味がなくて「本気で話せるもの?んなもんねえよ・・・・・・」な経験しかない僕からしたら、本気で語れるものがあるのって、羨ましい。

 

 

 

 

とまあこんな感じで「ボケ!」とか「バカ!」とか言いつつ言葉の奥で学生へのエールを激しく送る、”就活マニュアルという名の就活生応援本”。是非ご一読くださいな。

 

 

最後に

 

命の大切さに比べたら、就職ごときはたいしたことではない。

引用:内定童貞

 

 昔起こってしまった、就活を苦にした就活生の自殺にたいして、冒頭で作者が述べている言葉。

 

 

本当にそうである。

 

 

就活は辛いかもしれないが、所詮就職ごときなので、ゆるりと取り組めばいいーーー
と、内定童貞が申しております。